ミシュランガイド東京2015はどうして話題となっているのか?



注目されているミシュランガイド東京2015


2014年12月5日に発売された「ミシュランガイド東京2015」が話題となっている理由は何でしょうか?
近年、以前よりも注目度が落ちていると言われていただけに、今年は盛り返し、再び大きく注目されていることは気になるところです。

掲載店の増加とビブグルマンの拡充


クラウン(1つ星)
クラウン(1つ星)


オーサーコメントで以下の通り書かせていただきました。

ミシュランガイド東京の掲載店は年々増えています。

2008年は150店、2009年は173店、2010年は197店、2011年は東京・横浜・鎌倉となり266店、2012年からは東京・横浜・湘南となり293店、2013年は350店、2014年からはビブグルマンも加わって438店。そして、2015年にはビブグルマンのカテゴリ拡充もあって551店となっています。

掲載店は当初の4倍近くとなっていますが、こういったカタログ的なグルメ本は年々増加する傾向にあります。というのも、「前年よりもよい本」=「前年よりも掲載店が多い」という編集軸も存在するからです。



今回の「ミシュランガイド東京」では手頃な「ビブグルマン」のカテゴリをフランス料理・イタリア料理だけから、さらに拡充させたことが注目に値します。
日本料理やフランス料理など、敷居が高く高級なイメージがあるレストランが若者を中心に敬遠される中で、ミシュランガイド自体も高級路線をそのまま維持することは難しくなっているからです。
来年以降、ビブグルマンをさらに増やしていくのか、注目してみてください。



上記で述べさせていただいたように、ビブグルマンの拡充が今回話題となっている主因であり、さらに紐解くと、ビブグルマンにラーメンが加わったことが賛否両論を巻き起こしています。

ラーメン層の取り込み


ラーメンは日本の国民食たるもので、メディアへの露出も多くてファンも非常に多いです。しかし、これまでミシュランガイドはフランス料理、イタリア料理、日本料理、寿司、鉄板焼といったカテゴリの高級店が対象だったので、ラーメンに関心のある方が興味を持つことは難しかったと言えます。それが、ラーメンをカテゴリに加えたことで、これまでミシュランに興味のなかった層が興味を持つようになったのです。

ミシュランガイドにラーメンが加わったことの反響は「ミシュラン ラーメン」のYahoo!検索のヒット数の多さからも分かることでしょう。日本において最も数が多いラーメンファンを取り込んだのは戦略的であると思います。

フランス料理の注目店


ジャン ジョルジュ(1つ星)
ジャン ジョルジュ(1つ星)


他にも話題となっている原因があります。フランス料理に焦点を当て、新たに星を獲得したり、星の数が増えたりした店を挙げると以下の通りです。

* レフェルヴェソンス
2つ星 ← 1つ星
* シャントレル
1つ星 ← ビブグルマン
* ルカンケ
1つ星 ← ビブグルマン
* クラウン
1つ星 ← なし
* シック プッテートル
1つ星 ← なし
* ジャン ジョルジュ
1つ星 ← なし
* ラ フィネス
1つ星 ← なし

ラ フィネス(1つ星)
ラ フィネス(1つ星)


これらを見ると特に、「【クッキングコンテストの今】独学者 杉本敬三氏が優勝した「RED U-35」は何が新しいのか?」でご紹介した杉本氏がオーナーシェフを務めるラ フィネス、ルカンケ、クラウン、レフェルヴェソンスなど、実力はもちろん、それに加えて常に賑わっている人気の高いレストランが星を増やしていることが分かります。
ミシュランガイドが発行された当初、いくつかの老舗フランス料理店が掲載されず、多くの人が疑問に思っていたこともありましたが、後にこういった店も星を獲得していきました。
これまでの経緯も鑑みると、今回は日本における一般的な感覚により近付けた言えるのではないでしょうか。

ミシュランガイドのこの先


レフェルヴェソンス(2つ星)
レフェルヴェソンス(2つ星)


ただ、紙という媒体特性もあり、掲載店を無限に増やせるわけではありません。この先どのタイミングで掲載店の増加がとまるか、加えて、その限界を感じてか、ぐるなびと提携してどのようにWebに力を入れていくかが注目どころでしょう。



上記オーサーコメントの通り、書籍では掲載店の数をどんどん増やしていくことはできません。ぐるなびと提携してWebに広げていくのもよいですが、増加の一途を辿っていけば単なるカタログサイトなってしまい、それこそ、ぐるなびと差別化できなくなってしまいます。

また、よく見掛けられる主張で「食べ物のおいしさは最終的には主観的である」ことは間違っていませんが、だからといって「ミシュランガイドは意味がない」ことはありません。食材の質や調理方法、および、希少性や料理人のこだわりなどで、ある程度客観的に評価することは可能だからです。
こういった意味で、できるだけ客観的に評価しようというミシュランガイドは引き続き重要性や権威を持っていくでしょう。



個人的には上記オーサーコメントのように考えており、料理人のやる気を喚起させると同時に、多くの人に食が注目されるということで、ミシュランガイドに対して大きな期待を寄せています。

来年のミシュランガイドがどうなるのか、気になっている人は多いと思いますが、これは非常によいことだと感じています。というのも、<どういった店が星を獲得するのか>は非常に興味深いことですが、ミシュランガイドが引き続き影響力をもつには<ミシュランガイドがどうなっていくのか>ということでも興味を引く必要があるからです。

読者のみなさんも、ミシュランガイドの掲載店だけではなくミシュランガイド自体にも興味を持ってみると、より楽しめるのではないでしょうか。

情報

詳しくは公式サイトをご確認ください。

参考

レストラン図鑑にも「ミシュランガイド3つ星」「ミシュランガイド2つ星」「ミシュランガイド1つ星」「ビブグルマン」をご紹介していますので、ご参考にどうぞ。